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邨岡良弼『続日本後紀纂詁』
今年の正月、古書市でたまたま目にしたブツが、意外に面白い。
続日本後紀纂詁
明治期の学者で、邨岡良弼という人物が著した、『続日本後紀纂詁』というもの。
和本10冊であるが、出版されたのは明治45年(1912)と、夏目漱石や森鷗外の活躍時期とかわりない時分。装丁の古めかしさ同様に、注釈そのものも、漢文体のいたって古風な内容である。
『続日本後紀』の注釈ということじたいが、きわめて珍しいと言えるが、興味深いのは、『続後紀』の文章や語彙に対して、漢籍での典拠や用例を、かなり丁寧に指摘している点。知られている文献で例えるならば、『日本書紀』に対する河村秀根の『書紀集解』に近い。
続日本後紀纂詁
上に掲げたのは、その冒頭であるが、国史の本文を、歴史の記録としてのみ捉えるのでなく、その文章を、編纂当時の文筆そのものとして評価しようという姿勢が明確に現れている。当方は、最近、六国史の本文やそこに引用される文書の本文を、その時代の文筆資料としてもっとしっかり評価するべきなんではないか、という思いを強くしているのだが、そんなことを考えていると、自然にそれに関するこういう文献が目の前に現れてくるものなのですな。
もっとも、この邨岡良弼著は、けっして埋もれて忘れられていた文献ではなく、知る人ぞ知る文献であったようだから、知らなかった当方が無知だったということでしょう。
明治期の出版物なので、国会図書館のデジタルライブラリーで、全文を読むことも可能。しかし、現物を手元におき、気の向くままにパラパラとめくる楽しさは格別。購入以来、就寝時に少しずつめくるのを日課にしている。漢字ばっかりだから、すぐ眠たくなって、睡眠導入剤として最適。1ヶ月半たって、まだ3冊目の最初の方。

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