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幻のロードショウ
古い映画のプレスシートを入手。
stormy weather
"Stormy Weather"(1943制作)については、かつてちょっと触れたことがあります。そのときにも記したように、かの双葉十三郎氏も、アメリカのミュージカル作品としては重要な1本であることはみとめつつ、日本未公開のため観たことがない作品というわけだった(1988年にユーロスペースなどで短期間公開されたことはあったらしい)。
ところが、その"Stormy Weather"の日本でのプレスシートが存在していたということになるわけ。表紙には原題しか掲げてないけれど、邦題は「ジャズ天国」とする予定だったらしい。
もちろん、1988年公開時のものではなく、日本の占領下時代のもの。なぜそれがわかるかというと、配給元(提供)が「セントラル(CMPE)」となっているから。セントラルは、GHQがアメリカ映画の配給のために設立した会社。戦後、1952年まで存在した。
プレスシートがあるということは、フィルムを日本に持ってきて、試写までは企画した、ということでしょう。順調に行けば、その後、一般ロードショウという運びだったのだろうけれど、そこまでには至らず、お蔵入りになっちゃったということなのだと思う。試写のときの日本人のリアクションから判断したのかもしれない。
プレスシートだから刊記などはないけれど、記事を読むと、主演のひとりビル・ロビンソン(Bill Robinson 1878-1949)について「図らずも昨年一月、七十二歳を以て他界した」との説明があるので、1950年の発行と察しがつく(それにしても、年齢が数え年ですぜ)。
"Stormy Weather"はすばらしい作品だと思うけれど、60年前の日本では、いまいち興行価値がないと判断された模様。一度、大スクリーンで観てみたい。
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