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斯道文庫編『書誌学展図録』
書誌学展図録
(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫編,2010.12.1,209頁,\2,000)
大学院生の時分、慶応出身の人には、なんであんなに文献学や資料紹介の領域ですぐれた力量を持った人が沢山いるんだろう、と眩しい思いで眺めていたことがある。すべての理由がそこにあるかどうかは別として、多分その最大の理由が、斯道文庫という機関が存在することにあるらしい、ということがやがて分かった。
その斯道文庫が慶応大学の付属機関となって50周年(それ以前は福岡県の私設研究機関だった)を記念した展示がこの月曜日(11月29日)から開催されている(土曜日まで)。2日目の火曜日に行ってきた。
単なる貴重書の展示というだけではなく、展示をはじから観て行くと、古典籍の書誌学に関する知識をひととおりなぞることができるように工夫されている。展示図書の選定はもちろん、その開示箇所も、書誌学に関するどんな情報を示すかという目的に相応しいところが選ばれて展示されている。企画準備に相当な時間が費やされているであろうことが思いやられる内容。それにしても、書誌学ひととおりの事柄の説明が、所蔵資料でできてしまうということの迫力。国文学研究資料館でもこの春、類似のコンセプトの企画展示がありましたが、(あれはあれで面白かったけれど)展示資料のランクが斯道文庫の方が一段高い。
そんなわけで、展示図録は、そのまま書誌学入門の書にもなっている。制作には、この春、橋本不美男『原点をめざして』(笠間書院)以来の総合的書誌学入門書というべき、評判の1冊(↓、著者は4月から斯道文庫の所属に)を出版した勉誠出版があたっており
書誌学入門 古典籍を見る・知る・読む書誌学入門 古典籍を見る・知る・読む
(2010/04/04)
堀川貴司

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写真などにも充分な配慮が施されていて、理解を助けてくれている。
個人的には、版本の校正に関する資料が興味深かった。ああいう風に校正をしたんですなァ。著者にもよったのだろうが、平田篤胤という人は、相当細かいところまでチェックが入っていて面白かった。
さて、20年近く前、眩しく眺めていた若き慶応出身の研究者は、その後順調に各研究機関・大学に就職して行き、そして今、ほとんどこの斯道文庫に戻って来て、次の世代の育成にあたっている。その先生方が総出で、1日2回のギャラリートークが開催されているらしい。
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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