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『高等女学講義』と『女学の友』
最近の古本市で購入したものを紹介。
かつての早稲田大学は、『早稲田講義録』を出版し、通信教育を大々的に展開していたことは有名。
諸事情で東京に出てゆくことはかなわないものの、向学心に燃える地域の青年から大きな支持を得ていたらしい。(ちなみに、『早稲田文学』も、逍遥先生と鷗外漁史が論争していたころは、文芸誌というよりは、講義録の傾向が強い雑誌だった。)
ところが、その早稲田の『講義録』に、女学生向け版があったことが判明。
今回、昭和5年(1930)発行の『講義録』と、それの附録雑誌を何冊か入手。
20120117a.jpg
上の画像の、右側『早稲田高等女学講義』というのが講義録で、左側『女学の友』が附録雑誌。いずれも月刊だったようだ。
講義録、早稲田っぽくねー。昭和初期のモダンな雰囲気いっぱいの表紙絵に、ちょっと驚く。内容は、各教科のまさに講義録なのだけれど、科目には手芸や「結婚とは何か」といったような啓蒙的話題の連続講話もあり、いかにも女性向け。衛生学みたいなのも含まれているのは、この講義録によって課程を終えると、専門学校受験資格が得られ、助産婦や看護婦への道が開けるというルートもあったかららしい。日本史でも、「山内一豊の妻」とか「春日局」といった、著名な歴史上の女性の逸話をわざわざ織り交ぜて記述されている。
『女学の友』は、表紙こそ地味だけれど、内容は、先輩受講生の体験談、受講生同士の文通欄、受講生からの健康・進路相談への回答のほか、小説や著名人によるエッセーなども掲載され、読み物としてなかなか面白い。
下の画像は、講義録・附録雑誌それぞれの裏表紙。「ヘチマクリーム」も「中将湯」も、このころの婦人誌でお馴染の商品ですな。
20120117c.jpg
こんにち的観点から面白い内容はたくさんあるけれど、私じしん実際に使われているのを始めて見たというものをひとつ紹介。
下掲は、講義録の方に掲載された書道の手本なのだけれど、これ、なにが書いてあるかわかります?
「とりなくこゑすゆめさませ…」これは、明治の中ごろに、当時の代表的大衆新聞『万朝報』が公募で選んだ、新いろは。つまりいろは48文字すべてを一度ずつ使った文。「いろは」に対して「とりな」と呼ばれたらしいが、こういうものが新聞社の公募で出来たということは知っていたけれど、こうやって実際に使われているのを目にしたのははじめてで、これにも驚いた。公募で決ってから30年くらいたっているはず。けっこう息が長かったんですねぇ。
20120117b.jpg
この『早稲田高等女学講義』、創刊は大正11年(1922)で、戦時中の途絶はあったようだが戦後間もなくまで出されたらしい。ところが、早稲田の図書館には戦後出版分が多少所蔵されている程度で、ほとんど残っていないみたい。『女学の友』に至っては、影も形も確認できない。大学史資料センターにはあるのかな?
でも、大正から戦前期の女性高等教育の資料って、かなり重要なものなのじゃァないかしらん?
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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