購書ときどき読書、まれに訪書
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あ~ら、めでたいなめでたいな…
和菓子包み紙


週末は例によって駿河台下の古書会館。
古書市にはさまざまな紙類が売りに出ていることは前にも触れたとおり。本日は昔の菓子の包み紙を求めた。
袋状に糊付けされている。未使用のようだ。
木版でなかなかきれいな絵が刷られている。
3人のお爺さんがメインに描かれるが、向って左側の人物が浦島太郎だというのは明らか。では、あとの2人は?
答は「三浦大介」(中央)と「東方溯」(右)。
この3老人が揃っていると、分かる人には分かる、ある文句が連想される。
それは「厄払い」の文句。
「あ~らめでたいなめでたいな、今晩今宵のご祝儀に、めでたきことにて払おうなら、まず一夜明ければ元朝の、門に松竹注連飾り、床に橙(だいだい)・鏡餅、蓬莱山に舞い遊ぶ鶴は千年亀は万年、東方溯は八千歳、浦島太郎は三千年、三浦の大介(おおすけ)百六つ、この三長年が集まって、酒盛りいたす折からに、悪魔外道が飛んで出て、妨げなさんとするところ、この厄払いがかい掴み、西の海へと思えども、蓬莱山のことなれば、須弥山の方へさら~りさらり」
昔、大晦日や節分の夜にこのようなめでたい文句を言い立てて回った祝福の芸能があった。落語に「厄払い」というのがあり、今でもたまに寄席で聞くことがある。
この文句の中で「三長年」と言われているのが、この菓子包みに描かれた3人のお爺さんというわけ。
東方溯は中国の漢の時代の人物。仙界の不老長寿の桃の実を盗んで食べたという伝説がある。浦島太郎はどちらかというと悲劇の主人公のような印象が私にはあるんでけれど、長命の代表としておめでたい席でとりあげられることは、すでに平安時代の前期、仁明天皇の賀の祝の折に例がみられる。三浦大介(=義明)は源頼朝挙兵時の武家のひとりで、史実では89歳かなにかで歿しているのだが、後世、伝説的な長命者として、106歳まで生きたというような伝承もできたようだ。
砂糖をふんだんに使った甘い菓子というものが、長生きの薬に近いものとして観念されていた時代の名残がうかがえるのだと思う。
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

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