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明治40年の軍人日記
軍人日記(明治40年)


しばらく前に古書市で購入したシロモノ。
筆者の自署がないので、いまいち詳細がわからないのだけれど、内容からして、たぶん下関要塞砲兵隊所属の徴兵3年目の古参兵が明治40年に記した日記らしい。記事は元旦から11月26日におよび、ほぼ毎日記される。
私は、こういうものを兵卒に書かせて、時折、上官が中身を検閲でもするのかと思っていたのだけれど、読んでみると、検閲なんかあったらここまでは書かないだろう、というような率直な内容が多く、純粋な個人日記らしい。
当時、兵役の期間は、制度上3年間なのだけれど、2年勤めると、帰休兵として事実上の除隊を迎えることができる可能性があった。この日記の冒頭では、筆者は帰休兵の可能性を夢想しているのだけれど、結果、それは実現せず、そのことに対して、上官がなにも慰労のことばを掛けてくれなかったことに、あからさまな嫌悪感を表明したりもしている。
芝居を見たり、遊郭にあがったり、痛飲して二日酔いに悩まされたり…と、人間臭い記事が多く、読んでいて飽きない。意外に、脱走兵も多かったらしく、数ヶ月置きに記事がある。以下、その中の1件。

砲兵助卒恒広成雄ハ、父ノ病気ニヨリ、郷里ヨリ新家中尉ニ宛テ電報飛ビ来レリ。中隊長ノ無情ナル遂ニ休暇ヲ許サズ、其手続ニモ及バザリケリ。夜ニ入リテ、班長ニ書ヲ遺シ、遂ニ脱柵、帰郷ノ不幸犯ヲ犯ス。其書ニ曰ク、「忠ナラント欲セバ孝ナラズ、孝ナラント欲セバ忠ナラズ。進退極マリ、意ヲ決シテ帰郷セリ。一週間ヲ期シテ必ズ帰隊スル」云々ト(昨夜十時頃)。




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