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品田悦一『斎藤茂吉』(ミネルヴァ書房)
斎藤茂吉―あかあかと一本の道とほりたり (ミネルヴァ日本評伝選)斎藤茂吉―あかあかと一本の道とほりたり (ミネルヴァ日本評伝選)
(2010/06)
品田 悦一

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(2010.6.10,345頁,\3,000〈本体〉)
評伝として上々のものだと思います。対象の人物の経歴的な事実を追うだけでなく、個々の作品や文章の分析の冴えが、読み応えを感じさせる。第3章の『赤光』の短歌の分析が本書のクライマックスでしょう。
第5章・第6章の万葉ブームの中で、歌壇の第一人者として振舞う茂吉の去就の分析もとても面白かったが、こちらは、近代日本の万葉享受の流れをもっと大局的に捉えた別の成果を期待したいところ。
「敗戦」が、実は近代日本の思想的枠組みを、あまり根本的には変えていないのじゃないか―そんな見通しを本書は提示しているように私は見て取りましたが、近代的(国民国家的)万葉観の崩壊は、実は、ここ数年の間に起こったんじゃないか、と私などは思っている今日この頃なのです。万葉だけじゃなくって、〈上代文学〉という不良債権の残務処理を、我々は(好むと好まざるとに関わらず、あるいは、自覚するしないに関わらず)背負い込んでいるような気が、いくつかの身辺の出来事をとおして実感されるのです。
そのあたりの歴史的検証作業は、やってみる必要があると思っているのです。
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